うちの旦那はオネエ様

地方在住、ホモのひとりごと

石川大我さんの健闘を祈るホモ

私自身、若い頃からゲイ雑誌を愛読はしていたが、

グラビアに登場する男性とういうのは

私とは似ても似つかない、マッチョな方が大半だった

 

さらにゲイビデオなんてものを通販で購入して鑑賞するようになったけど、

そこには決してマッチョではない兄ちゃんとか出てたとはいえ、

そもそも彼らがゲイかどうかなんてことは分からない

 

ついでに「タチ」だの「ウケ」だの、

そんな言葉が見受けられたが、

いずれも自分は興味がなかったもので、

自分は本当にゲイなんであろうか、

それともまた、まったく別のタイプに属するのであろうか、

なんてことも真剣に考えていた

 

テレビに出てくるいわゆる「オカマキャラ」というのは、

女装していたり、女性的な喋り方をする人ばかり、である

しかしながら私は女装に興味もなければ、

女性的な話し方をするわけでもない

 

一方でネットに目を向ければ

当時から多くのゲイの方がホームページを運営していたし、

写真も掲載されてはいたが、

その顔にはすべて「モザイク」がかかっていた

 

「自分はオトコが好きなのは間違いない、いや、でも特定の誰かが好きになるわけでもない、性的な興奮を感じるのもオトコである、しかしながらセックスには興味がない、いや、自分は単に適度に鍛えられた肉体にあこがれているだけなのか???俺はゲイなのか?」

 

冗談抜きで、20代の私はこんなことを考えていたのだった(笑)

 

そんな悶々とした状況の中に現れたのが、

このたび参院選に出馬された石川大我さんだった

2002年の夏のことである

 

「ボクの彼氏はどこにいる?」の表紙に掲載された石川さんは

私の前に初めて現れた、

「ふつーのオトコであるゲイ」だった

 

それから、17年がたった

 

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旦那もいないし、飯でも食って銭湯にでも行くか、

そんな気になって隣町へ足を伸ばした

 

この街の中心駅にはかつて、大半の特急列車が停車していた

大阪行は1時間に1本、東京方面の越後湯沢行きもだいたい1時間に1本、

名古屋行が2時間に1本、一日に数本だけど新潟行きもあったし、

寝台特急も停車していた

 

しかしながら今や1時間に1、2本の普通列車がやってくるだけだ

 

その原因は何かといえば、新幹線だ

多くの特急列車が止まっていたにもかかわらず

大人の事情で駅は別の場所に設けられた

 

それでも、新幹線の駅はあくまで「東京行き」の列車が発着するもので、

在来線の従来の駅には「大阪行き」「名古屋行き」の特急列車が残る、

そう言われ続けていた

 

だからこそ、在来線の駅も建て替えて立派なものにしたのだ

しかしながらJRは特急列車を残してはくれなかった

結果的に恐ろしく立派になった駅は

いつも閑散としている

 

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昔っから政治家の皆さんは口をそろえて言っていた

 

「新幹線ができれば、この地方は大いに発展します!東京まで2時間で行けるようになります!」

 

政治家なんてどいつもこいつも嘘つきだってことが、

この町をみてりゃ嫌というほど分かる

市内に唯一存在する百貨店は来月には閉店するが、

その建物がどうなるのか何ひとつ決まってはいない

 

ぶらりと入った食堂で新聞を開き、

参院選に出馬する面々を眺めた

 

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正直な感想は、

石川さんは秘書やら区議を経ての国政挑戦であるもので、

元アイドルだの歌手だの芸人だの格闘家だのといった面々と比較すれば

かなり「まとも」な候補者に見えるということか(笑)

 

その場でスマホをいじり、

石川さんの「政策」を眺めてみた

 

冒頭には「多様性」とあり、以下のように記されている

 

「同性を好きになる」と気付いたのは、中学生のころ。「自分は普通だ」「いつかは治る」こう言い聞かせながら、ずっと悩み、はじめて自分と同じような人に会えたときは25歳になっていました。


多様性を誇りに。自分と違う人を認められる社会は、成長・発展していくことのできる社会です。女性、若者、高齢者、LGBT障がい者、外国人、ひとり親家庭在日コリアン。誰にとっても生きやすい社会でありたい。差別を根絶し、多様性を尊重できる社会をつくり、同性婚を実現します。

 

こういった話を、都心部ですればそれなりに耳を傾けてくれる人もいるかもしれないが、

私が暮らす地方だと「は?」ってなっちゃうだろうな、

というのが正直なところ

 

ついでに誰にとっても生きやすいの中に「男性」も入れてやりなよ(笑)

 

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はっきり言って、今の日本で一番追い詰められているのは、

ノンケ男性だと私は思うのよな

彼らが日々どれだけのプレッシャーを抱えて生きてるのかってことを、

石川さんはあまりにも知らなすぎる

 

逆にもっとも気楽に生きることができるのが

男性同性愛者であると私は思うのよな

少なくとも私たちはノンケが抱える

結婚だの子育てだのといったプレッシャーとは無縁である

 

男性同性愛者なんて単なる独身男性にすぎないのだから、

転職するにしても家族のことなんて気にする必要もないし、

幾つになっても自分で稼いだ金は自分で使えたりする

体型維持のためにジムに通うことも容易だろうし、

ちょっと休みがあれば気楽に海外へ、なんて方も多々いるわな

 

しかしながら、ノンケならどうか

石川さんは一度、私たちと同世代のノンケがどんな生活を送っているのか、

冷静に眺める必要があると思う

 

石川さんや私と同世代のノンケで、

仮に20代前半で結婚して子供を授かってとなれば、

今まさに子供が高校なり大学に通っているわけで、

自分のやりたいことなんて一番後回し、

まずは何とか子供を卒業させなきゃ、って方が大半であろう

 

私達が子供の頃は携帯電話なんてそもそもなかったけれど、

今や子供でも持っているし、その費用も馬鹿にならない

 

子供が自動車教習所に行きたいと言えば

当然その費用もかかる、

石川さんが自動車の免許を持っているのか知らないけれど、

私が自動車免許をとった頃は15〜16万くらいで何とかなったが、

今や30万円ほどするそうな

 

これにプラスして私の同級生の大半は住宅ローンを抱えている

 

石川さん、こういった現実を知ってる?

 

石川さんが常日頃からどんな人たちと接しているかしらないけれど、

多くの男性同性愛者というのは、

こういったノンケと日常的に接しているわけなんよね

 

当然のことながら、

同性愛者がゆえの苦労もあれば悩みもある

けど、ノンケの苦労を見てりゃ、自分の苦労なんて、、、、

っていうのが男性同性愛者の感覚ではなかろうかと思うのよな

 

私の知ってるノンケなんて、

どんなに日頃から態度がでかくても、

みーんな嫁さんの前では小さくなってるよ(笑)

 

石川さんは自分の考えに賛同してくれる人としか接していないからこそ、

どんどんどんどん主張が偏ってきつつあると思うのよな

これは石川さんだけでなく、LGBT活動家のみなさん全員に言えること

 

何より石川さんはここに

「悩んできた」と記しているのだから、

悩める人たちに対して

「自分はその悩みをこうやって乗り越えてきた」

ってことを実例をあげて話す、ってことが大事なことだと私は思うのよな

 

しかしながら、石川さんをはじめ、

LGBT活動家のみなさんは、

こういった話をいっさいしませんよね

 

今、石川さんたちLGBT活動家がやってることは

「悩んでいる人たちをさらに悩ます」ってことです

だからこそ、私は今の石川さんの主張にはまったく賛同できないのです

 

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食堂でカツカレー食べてから銭湯に行った

 

銭湯の番台のばあちゃんに420円払ったら

「兄ちゃん、ここ、初めてやろ」と婆ちゃんが言う

 

「うち、ちょっとお湯の蛇口熱いから気いつけや。ゆっくり入ってかれー」

と番台の婆ちゃんがニコリと笑う

 

某大学の林先生はずいぶんこの地方のことを嫌っているようだけど、

少なくとも私はこの地方に暮らす人たちがが発する言葉や、

一見ぶっきらぼうにも思えるがやたらと人情に暑いこの地方の雰囲気が好きで、

30年近く住んでいたりするのよな

 

生きづらい、云々というのも分かる

けど、生きづらいと感じるのなら、

自分自身も社会に対してなり第三者に対して、

批判するだけでなく、胸を割って話し合う、なんてことも、

特に地方においては必要なんではないかな、と自分は思うのです

 

ま、石川さんの健闘を、

同世代のホモとして願っております

あくまで、健闘を、ですぞ(笑)