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うちの旦那はオネエさま

地方在住、ホモのひとりごと

おもひでばなし〜高校三年生〜

気づけば4月も半ば。

相方が勤務する会社にも

研修で新入社員が3人やってきたらしい。

 

「平成生まれが3人よ〜、ボクなんてもうジジイだわ」

僕よりひとまわり年下の我が相方は、

そんなことを言いつつ嬉しそうである。

なら僕は「ひいじじい」か。

 

しかしまあ、

仮に自分が異性愛者で、

20歳前に子供が生まれ、

その子が大学を卒業していれば

今年は就職する年でもおかしくない(笑)

 

そんな矢先、妹からメールが届いた。

僕の妹はバツ2で、女手ひとつで3人の子供を育てている。

この春進級した子供たちの写真が添付されていた。

バンド活動に夢中な長男は、

今年高校3年生になる。

考えただけで恐ろしい(汗)

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さて、今日は僕が高校3年生の時の思い出話。

 

高校3年生の冬休みのこと。

僕はスキー場のロッジで住み込みのアルバイトをしていた。

4月からは就職が決まっていたもので、 冬の間はずっといた。

 

ここでの生活は楽しかった。

 

何故なら一緒にバイトしていたフリーターのOさんが、

めちゃめちゃタイプだったからである(笑)

 

Oさんは二つ年上だった。

小柄だったがボクシングをやっていたらしく、

めちゃめちゃいいカラダをしていた。

仕事を終えて、

一緒にお風呂に入るといつもドキドキしてた。

 

間違いなく、Oさんのことが好きだった。

 

しかしOさんには彼女がいた。

写真を見せてもらったこともある。

しょせん叶わぬ恋だった。

 

 

さて、ある日のこと。

夕食の準備をしようと厨房に入り、

僕は刺身のツマでも切っていたはずだ。

 

するとフロントを担当しているこの家の次女が

興奮した様子で現れて、

「ねえねえねえねえねえ、聞いて、聞いて、ホモきちゃったよ。ホモ!もースゴイどうしよー、ずーっと手ぇつないでるのよ!」

みたいなことを言う。

 

その時厨房にいたのは板長とパートのおばちゃん数人、

長女とOさん、僕である。

 

おばちゃんたちは失笑していたが、

長女は、何か反応したはずだが記憶にない。

ま、せいぜい「ウッソー!」みたいなことを言ったはずだ。

 

この時、僕はドキドキしていた。

早くこの二人を見たい、会いたいと思った。

 

僕は思春期の頃から同性にしか興味がないと気づき、

高校生になって何とか「薔薇族」という雑誌を手にして

ようやく「同性愛」という言葉を知った(はずだ)。

 

まして目の前で仕事をしているOさんのことが、

好きで好きでたまらない訳だ。

 

さて、実際に見たことがない訳であるから、

当時の僕は本当に同性愛者がいるなんてことが

いまいちピンときていなかった。

 

はじめて「ホンモノ」に会える、

僕は興奮していた。

 

夕食時間になると、

僕とOさんは着替えてウェイターになる。

 

他のテーブルはみんな席についたに関わらず、

その一席だけがあいていた。

そして二人が入って来た。

 

興奮しすぎていたのか、

あまり顔は覚えていない。

しかし彼らは他の目を意識することなく、

堂々と手をつないで入って来た。

 

テーブルに案内して飲み物を尋ねると、

「うーんそうねー、どうする、ビール飲む?」

「そうねー、じゃ、一本もらえるかしら」

と二人ともオネエ口調で言った。

 

(正確に言えば当時はオネェ口調なんて言葉は知らなかったし、  

二人とも「おすぎとピーコ」さんみたいな話し方だな、 と感じた次第だ)

 

僕は混乱した。

間違いなく同性愛者に違いない、

二人ともいたって普通の男性だ。

どう見ても恋人同士だ。

 

しかし、

僕は二人みたいにオネエ口調で話す訳ではない、

いや、僕は同性愛者ではないのか、、、、 

 

その場で二人はあきらかに浮いていた。

どんなにまわりから好奇な目を向けられても、

彼らは気にしている様子はなさそうだった。

 

まわりは男女のカップルばかりであったが、

もっとも仲むつまじく見えた。

 

彼らが食事を終えた。

「ごちそーさまー、美味しかったですー」

と、やはりオネェ口調で言って部屋へ帰って行った。

最後の客だったので僕はOさんと皿を下げていた。

 

Oさんは彼らについて何も言わなかった。

本当にいい先輩だった。

 

余計なことを言わない。

 

 

するとこの家の長女がやってきて、

「いやー、本当にホモっているんやねー、ありえんわー、気持ち悪かったー」

 

などと言う。

これが世間の見方なんだろうな、

と分かった瞬間であったし、

少なくとも僕は彼女に「ホモ」であると思われていない、

ことに気づいた瞬間だった。

 

高校生の僕は思った。

 

「絶対にバレる訳にはいかない」

 

雪が溶けるといつもOさんを思い出す。

 

会いたいなんて言わない。

きっといいオッサンになってるだろうし(涙)

 

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