電通さん、LGBT調査6万人のうち53771人はどこ行ったの?
LGBT、11人に1人 認知度は7割近く、大幅増
電通は10日、「自分は性的少数者(LGBT)だ」と考える人の割合が8.9%に上ったとする調査結果を発表した。2015年調査の7.6%から上昇した。同社は「LGBTに関する情報の増加と理解の進展が背景にある」と分析している。
欧米を中心に広がる同性婚の合法化には、78.4%が「賛成」または「どちらかというと賛成」と答えた。また、働いているLGBTに対し、同性カップルに配偶者手当を支給するといったサポート制度が職場にあるかどうかを聞いたところ、54.5%が「ない」と回答。「十分なサポート制度がある」は5.5%にとどまった。
調査は昨年10月下旬、インターネットを通じ、全国の20〜59歳の6万人を対象に実施した。 【時事通信】
電通が1月10日に発表したLGBTに関する調査結果に関するいくつかの記事やツィートを眺めつつ、
何とも言えぬ「違和感」があった
当事者は8.9%もいるという
13人に1人が11人に1人になった、ということか
東京ドームに5万人集まってれば4450人が、
従業員が200人いる会社だと18人弱、
40人いる教室だと3〜4人もの当事者がいる計算になる
8.9%、
これが現実的な数字なのかというのは正直言ってよく分からない
自分が日頃ノンケだと思って付き合っている相手が
バイセクシャルである可能性もある
何より私だって10代、20代の頃は女性とお付き合いをしていた
だからといってバイセクシャルなのかと言えばそんなことはなく、
ホモであることを認識したにすぎなかった
私だけではない
20代の頃はノンケとして生きていた、
そんなゲイの方のツィートを拝見することもある
記事では「6万人を対象に調査」とあるが
中には「6000人を対象に調査」なんていうのも見かけるのだ
はて、これはどういうことか?
それでは電通の発表そのものを見てみよう
LGBT層に該当する人は8.9%、「LGBT」という言葉の浸透率は約7割に
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)においてダイバーシティ&インクルージョン領域に対応する専門組織「電通ダイバーシティ・ラボ」(以下「DDL」)は、2018年10月に全国20~59歳の個人60,000名を対象に、LGBTを含む性的少数者=セクシュアル・マイノリティ(以下「LGBT」層)に関する広範な調査を行いました。その結果、LGBT層に該当する人は8.9%、「LGBT」という言葉の浸透率は68.5%となりました。
この記事の最後にはこんな一文が見受けられるのだ
<事前スクリーニング調査概要>
・調査対象:20~59歳の個人60,000名
・調査対象エリア:全国
・調査時期:2018年10月26日(金)~29日(月)
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:20~59歳の個人6,229名
(LGBT層該当者589人/ストレート層該当者5,640人)
・調査対象エリア:全国
・調査時期:2018年10月26日(金)~29日(月)
・調査方法:インターネット調査
はて、スクリーニング調査とは何だ???
マーケティング用語集を見ると以下のように記してある
スクリーニング調査とは、調査対象者の条件抽出をするために、本調査に先駆けて行う事前調査のこと。アンケートなどを行なう際に、特定の条件(年齢や性別などの属性)に該当する対象者を絞り込むための調査。限定的な条件下での調査を求める際に行われる。スクリーニング調査を行った後、対象者のみに本調査を行う。
例えば、「30代 技術職 年収600万円以上」という条件を満たす男性を本調査の調査対象としたい場合、一般男性の中からその条件を満たす男性を選び出すために行う調査などを指す。調査の対象となる個人の中で、回答者としてより適合性を高めるための質問を設けるケースもある。例えば、コンタクトレンズを販売する際の前提として、目が悪くなければ、製品を使用する機会は少ないいと言えるため、コンタクトレンズについてのアンケートの場合、「目が悪いかどうか」といった質問を行う。
スクリーニング調査は「プレ調査」とも呼び、スクリーニングという単語そのものの持つ意味としては「(ある個体を)選別する」「ふるいにかける」という意味がある。
なるほど、スクリーニング調査は「ふるいにかける」という意味だそうな
となると、数字が不自然になってくる
この調査では、1.身体の性、2.心の性(性自認)、3.好きになる相手の性(性的指向)の3つの組み合わせで分類し、「異性愛者であり、生まれた時に割り当てられた性と性自認が一致する」と答えた人を「ストレート」とみなし、「ストレートではない」層をLGBTとしている、とある
概要には6229人を抽出してうち589人がLGBTとあるから、
5640人が「ストレート」と答え、589人が「ストレートではない」と答えたということだ
しかしこの数字から計算するとLGBTは9.4%という数字が導きだされてしまう
すなわち8.9%を算出する母数は6万人ということになる
6万人に対し行った調査の段階で8.9%の方が「ストレートではない」と答えた、
人数に直すと5340人といったところ
調査に掲載されたグラフ1をよくよく眺めると、
「LGBTとはセクシャルマイノリティ(性的少数者)の総称のひとつということを知っていますか」
という問いは6万人を対象に行われたことが分かる
6万人中68.5%、すなわち41100人もの方はLGBTという言葉を「知っている」「何となく知っている」
と答えたということだ
その次のグラフ2「LGBTの人に不快な思いをさせないために、あなたはLGBTについて正しく理解をしたいと思いますか」に関しては
抽出した6229人のうちのストレート層、5640人を対象に行われた問いになる
すなわち母数が違っている
さらにグラフ3「あなたは、職場の同僚(上司、部下を含む)にLGBT当事者であることをカミングアウトすることに、抵抗がありますか」
グラフ4「あなたが勤めている企業では、性の多様性に関しサポート制度がありますか」
この2問に関しては当事者506人から回答を得ている
これは589人のうち506人が回答したということであろうが、
こちらも6万人中5340人が「ストレートではない」、
すなわち「LGBT」と答えているにもかかわらず、
どういった根拠があって589人が抽出されたのか、まったく不明である
おまけに83人は何処に消えたのだ???
続いてグラフ5、6、7
「多くの先進国で同性婚が認められ始めていますが、同性婚の合法化について、あなたの意見を教えてください」
「東京都はLGBTに対する差別解消やヘイトスピーチの根絶を目指す条例を、2019年4月に全面施行を目指しています。そのことについて、あなたはどのように思いますか」
「LGBTの差別をなくすため、日本は、もっと法整備をするべきだと思いますか」
に関しては抽出した6229人から回答を得ている
素人目に見ても不可解な調査だ
6万人の中から8.6%の「LGBT当事者」をスクリーニングして、
さらに詳細な調査を行った、というのならまだ分かる
しかしながらそもそも6万人の抽出方法も不明であるうえ、
さらに6229人に絞った「スクリーニング」が果たして何だったのかが、
ついでにこの6229人というのは当事者、ストレートが混ぜこぜで、
その割合すら違うのである
私はゲイの友人にこのアンケートについての疑問を呈してみた
すると彼はあくまで推測だけど、としたうえで、
「最初に6万人を調査した時点でLGBTと回答したのが589人だったのではないか」
と答えた
6万人中589人であるなら0.98%となる
1%という数字が出てきたからかなり近いし、
なるほどな、なんてことも思った
だいたい電通の調査では他の質問にはグラフを用いて説明しているのに、
この8.9%に関してはあっさり流している
あまりにも不自然、なのよな(笑)
以前に、長野市の性的少数者に関する調査の結果を見て、私は以下のようなことを書いた
長野市の調査に至っては
回答した766人中、自分が性的少数者であると答えたのはわずか3人である
単純計算で255人中に1人、0.4%になってしまう
少なくとも私はこの長野市の数字を見て、
地方都市という点において
ずいぶんリアルな数字だなあ、と感じた
というのも私はかつて富山市内の従業員が200人以上いる地元企業に勤務していたが、
13人に1人いるなら誰かしらいても何ら不思議ではないにもかかわらず
一度たりともゲイバーやイベント、アプリを通じ、同僚に会ったことがないのだ
これが255人に1人と聞くと、他にいなくて当然、という気がしてくる
これに少し付け加えると、私がいた会社には正社員が200人いたが、
他に契約社員の方も100人以上いたのだ
無論、その全てを私が知っている訳ではないのだけど、
私は社員寮で従食をつくったり、通勤バスの運転も担当していたもので
かなりの契約社員の方と面識はある
私は転職したり出向したり、この町でいろんな仕事をしているけど、
アプリ上でも、ゲイバーでも数字だけをみれば確実に存在するはずの
仕事上の関係者に会ったことは一度たりともない
15人に1人でも20人に1人でも当事者がいるのならあまりにも不自然だ
(無論、LGBTの中でもゲイに特定しているから数字が違ってくるのは考慮している)
そんなもので地方という点を念頭において、
長野市の0.4%という数字が妙にしっくり来たのだ
少ないことは少ないけど、確実にいることはいる
無論、先に述べた通りで、
私が日頃ノンケと思っている方がバイセクシャルである可能性はある
性的指向に関する認識なんて、かなりあいまいであると私は思っている
で、多くの活動家さんは今回の電通の調査に関心を持っている
8.9%という数字に注目している方もいれば、
同性婚に賛成の人は全体の78.4%、という数字に注目している方もいる
しかしながら、この調査を、鵜呑みにしちゃっていいのだろうか
電通が出した8.9%に注目するのは結構である
しかしながらなぜ名古屋市が出した1.6%、長野市が出した0.4%という数字には触れないの?
活動家さんなら、どうして数字に大きな差が出ているのか、検証してもいいと思うのよな
同性婚に賛成云々の数字にしても、2015年11月に国立社会保障・人口問題研究所が出した数字だと、
「賛成」「やや賛成」は51.1%にすぎない
たかだか3年ばかりで78.4%になるなんて激増というよりあまりにも不自然ではなかろうか
松岡宗嗣さんなんて、地元の名古屋市で「自身を性的少数者だと答えたのは1.6%」っていう数字が出てるんだよ(笑)
私から見ると、その数字に触れないことが不思議で仕方ない
単に自分の主張に都合のいい数字だけをつまみ食いしているように見える
松岡さんに限らず、活動家の皆さんは、
本当にLGBTが8.9%いて、8割近い人が同性婚に賛成していると考えているの???
それならどうして同性パートナー制度がまったく盛り上がりを見せないの???
それならどうして同性婚に関する話がさっぱり進展しないの????
そして電通さんはどうやってまずこの6万人を抽出し、
さらに6229人に絞ったのかを明確に示す必要があると思うのよな
年代別にそろえたのかとも考えてみたが
ストレート5640人のうち20代は651人、30代は2169人、40代は1643人、50代は1177人とバラバラだ
当事者589人の年代別は明記されていない
6万人のうち53771人を除いた根拠はいったい何なの?
6万人のうち8.9%が「ストレートではない」と答えたなら5340人が当事者になるのよな
589人はどういった根拠で抽出されてるの?
ついでに6万人もの方にネットで調査を行ったのなら、
SNS上でこんな調査があった、なんて話があっても何らおかしくないのに、
見過ごしていただけかもしれないけれど、
私は未だに見たことがない
電通さん、この調査、いったい何処の誰に対して
さらに何のために行ったものなの???
ついでにLGBTって増えたり減ったりするものなの?
「2015年調査からの主な増加要因は、LGBTに関する情報の増加による一般理解の進展、LGBTへの理解が深い若年層のアンケート対象構成比の増加にあると推測しています」
なんて書いてるけど、この調査対象で一番少ないのは20代なんよねww
そもそも8.9%の算出にあたっては年代別の構成比を掲載していない
このままの増加ペースでいきますと
3年後あたりにはいよいよ10%超えといったところでしょうか
活動家のみなさまにおいてもマイノリティーなんて言ってられませんね(笑)
私もかつては「LGBTは○%」という数字を意識していたが、
今となってはどうでもいい数字だ
1%だろうが、5%だろうが、10%だろうが、
私は現にこの町にいて、オネエの旦那と暮らしている
人数的には多くはないけれど、
ホモの友人もいて、
一緒に飲んだり、旅に行ったりしている
恐らく、だけど、当事者の大半は「ホモが何%いる」なんていう数字は、
ほとんど意識していないんじゃないのかな?
せいぜい地方だから少ない、都会だから多い、その程度でなかろうかと私は思う
活動家さんは数字の呪縛に囚われすぎなんだろうね
挙げる数字に実態が伴わないから、
どんどんどんどん信用を失ってきてる
たまには検証のひとつでもすればいいのに、
なーんにもやらない
電通の調査において
LGBTが8.9%いることも、78.4%が同性婚に賛成していることも、
あなた方が言う差別の解消にも、同性婚の実現にも何ら関係ないよね
せっかく電通さんがあなた方の主張に沿った数字をはじきだしてくれるのに、
まったくもって有効活用できていない
なにかを成し遂げたいのなら、仲間を作る、増やすことが必須のはずなのに、
なぜか敵をつくることばかりにご熱心(笑)
結局、あなた方は何もしてこなかった
多分、これからも何もしない、いや、できない
あなた方の言動を冷めた目で見ているのは私だけではないだろう
マスコミもあなた方と距離を置き始めている
立憲民主党が参院選で擁立するLGBT当事者やらもどうなることやら分からない
私にはあなた方が単に自滅への道を着々と歩んでいるようにしか見えない
活動家のみなさまにおきましては
今後何をしたいのかは存じ上げませんが、
私のブログのネタづくりのためにも
みなさまの益々のご活躍をお祈り申し上げます
では、これにて失礼いたします