うちの旦那はオネエ様

地方在住、ホモのひとりごと

ホモな主夫、ダイソンを手にする

旦那は社会人になってから

一度も正月に帰省したことはないらしい

その理由は「お年玉あげなきゃなんないし」というもので、

一緒に暮らし始めてからも年末年始はいつも何処かへ出かけていたが、

今年は実家で過ごしてみようかな、なんていう

 

たまにはいいんじゃないの、

ってことで私も久々にお正月を実家で過ごすことにした

 

 

 

実家に帰ると、

私が以前から気になって仕方なかった

ダイソンのハンディクリーナーがあった

 

私も母も似た者同士で、

時折テレビの通販番組で買い物をしては、

「失敗した」ってことが多いのだが、

母曰く「久しぶりのヒットだわ」なんて言う

 

試しにカーペットなんかを吸ってみたら、

まあ気持ちいいくらいにホコリがとれる

「うるさいのと電池がすぐ切れるのはイマイチだけど」

とは母の評

 

これで我が家を掃除すればさぞかしキレイになるだろう、

とは思ったが、

当然のことながらそこそこの値段がする

とても我が家の経済状況では買えそうにない

 

妹の一家も来るというので、

母と料理の準備をしていたら、

「お父さん、この春でいよいよ退職だから」

と母が言う

 

父は60歳の定年後も延長の形で以前からの職場で働いていたが、

65歳になるのを機にいよいよ退職するそうな

中卒で15の時から働いているから、

ざっと勤続50年である

 

勤続30年や40年くらいなら多々耳にするが、

勤続50年なんて聞いたことがない

そんな父の息子(私)は勤続10年がせいぜいだから、

驚くと同時に素直に尊敬したりもする

 

ついでに驚いたのは、

来年には妹の息子が成人式を迎えるってことで、

大学生なのだから驚くことでもないのだが、

成人という響きが妙に重く感じたりもする

 

冷静に考えりゃ、

うちの両親は今の私の年齢と大差ない年で、

爺ちゃん、婆ちゃんになっていた訳ね(笑)

 

甥っ子たちも交えて賑やかなお正月を過ごしていたら、

旦那からメールというか、

若い男の画像が届いた

 

誰よこの可愛い男は、

なんて思ったら妹の彼氏だそうな

旦那と妹は年が一回り離れており、

私の妹の長男と同じ年である

 

「こんなチャラい男は嫌だ」

そんな文面つき

 

日頃から妹のことを

「可愛くない」だの「生意気だ」だの

ボロカス言ってる旦那であるが、

きっと実家に帰ればいいお兄ちゃんなんだろうなって思う

 

近い将来、

妹の結婚式で号泣する旦那の姿がリアルに思い描けて

思わず吹き出してしまう

そんなものよ、兄妹なんて

 

タバコを買いに外へ出たら、

小学生の時からの幼馴染みに出くわした

 

男の子ばかり3人つれて散歩中

前回会ったのは3年前で、一番下の子が生まれたばかりだった

そんな一番下の子が人見知りもせず、

ちょこまか歩いていて何とも可愛らしい

 

近所の公園で缶酎ハイで乾杯して、

子供と遊びつつしばし幼馴染みと話す

途中で何か話が噛み合わないなと思ったら、

「こないだもう1人生まれてな、今4人おるねん」

と聞いて驚く

 

若い頃から酒のんではハチャメチャになる男であったが、

今やすっかりパパが板についた

ついでに貫禄もついた

昔はそこそこイケメンだったんだけどねえ(遠い目)

 

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翌日、

別の幼馴染みとクルマで出かけた

この男は今年結婚20年になると聞いて

年の過ぎゆく早さを痛感

 

適当にぶらぶらして、

温泉で一泊することにして、さんざん酒を飲んだ

カミングアウト済みだし、気楽な男で、

帰省するたびにこんな感じで出歩いている

 

そして、

この男もすっかり立派な腹になった

昔はそこそこキレイな身体をしていたんだけどねえ(遠い目)

 

こうしてお正月が終わり、

旦那と一緒に帰ってきた夜のこと、

深夜に旦那が猛然と苦しみ始めた

 

完全にノロウイルスの症状である

いったい地元で何を食べてきたのだろう

ただでさえガリガリなのに、

いっそうやつれて見える

 

恐ろしいのは二次感染で、

狭い我が家では逃げ場がない

昨年はインフルエンザでえらい目にあったもので、

何としても感染だけは避けたい

 

旦那がトイレに駆け込むたびに、

徹底的に消毒する

これくらいしか予防法が思いつかない

一応病院に連れてゆき、

ただただ症状が落ち着くのを願うしかなかった

 

こんな感じで新年早々わたわたしてしまい、

ようやく平穏を取り戻したと同時に、

私はひとつ年を重ねた

 

旦那はノロ明けで仕事に忙殺され、

私の誕生日のことなんて

すっかり忘れているようである

ま、別におめでとうなんて言われて嬉しい年でもない

 

夜、

駅に私を迎えに来てくれた旦那が向かったのは

閉店時間も迫った電気屋だった

何を買うのかと思ったら、

ダイソンのハンディクリーナーである

 

どーしちゃたのよ、

なんて言ったら、

「前から欲しがってたし、新年早々迷惑かけちゃったし、誕生日だし」

と言う

 

誕生日プレゼントが掃除機っていうのも

何だか笑えるが、

何より一番欲しかったモノであるのも事実である

素直に感謝

 

そんなこんなで旦那は今日も休日出勤

天気予報は夕方から雨みたいだが、

とりあえず朝はまずまずの天気

 

ノロウイルスが充満した部屋の窓を開け放ち、

私は朝からダイソン片手にひたすら掃除を続けた

 

布団なんて気持ちがいいくらいにホコリが取れる

めいいっぱい吸い取って、

ベランダに干し、

充電の合間に台所やお風呂の掃除に励む

 

お風呂の鏡も100円ショップで買ってきたウロコ取りで磨けば

恐ろしくキレイになって、

台所まわりも重曹を使って徹底的に掃除する

充電を終えたダイソンで今度はソファを掃除

 

こんなところに座っていたのかと思うと、

それだけで背筋がかゆくなる

それでもとにかく掃除が楽しくて仕方ない

身も心もスッキリしてくる

 

ただ、問題があったとすれば、

掃除に夢中になり過ぎていて、

いつしか雲行きが怪しくなっていたことに気づかずにいたことだ

 

外を見ればいつしか雨が降っていた

そして、ベランダには朝から干していた

布団が見えた

「・・・」