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うちの旦那はオネエさま

地方在住、ホモのひとりごと

老害

旦那がパチンコに出かけた週末や、

出張なんかで不在の時、

私はたいがい図書館に行っている

 

この町の図書館は郊外の不便なところにあるけれど、

駅からは30分毎に無料のバスが出ているし、

ウチから歩いても30分ほどだ

ちょうどいい散歩にもなる

 

図書館はガラスを多用した明るい造りで、

周囲の園地は整備が行き届き、

本当に気持ちがいい

 

ここで料理の本や各種雑誌、

小説を読んだりするのは私にとって至福の時だ

 

週末なんかは学生でいっぱいになる

みんな真面目に勉強してるし、

何よりこの街の学生(というか男の子)って、

基本的に可愛いのよな(汗)

 

都会の子ほど洗練されていないし、

何より方言がいいのよ

時折友人同士とコソコソ交わす会話なんか聴いてるだけで、

思わずうっとりしてしまう

 

当然、手なんて出さないわ

みんな私の甥っ子より年下なのよね

この子たちの親がきっと私と同世代

そう考えるとしみじみ「年齢」を痛感するわ(涙)

その日、私は4人掛けのテーブルに座って、

料理のレシピをノートに書き移していた

向かいには高校生くらいの男の子が2人、

真面目に勉強しており、私の隣は空いていた

 

そこに、年配の男性が着席した

わりと身なりはちゃんとしている

 

1時間くらいした頃だろうか、

静かな図書館に大音量で着メロがなり始めた

音の源は隣の男性の手元にあった携帯電話だ

 

私にはぎょっとするような音だったし、

向かいの男の子たちも思わず見たのが分かった

 

男性は携帯電話を手にすると

「もしもし、はあ、はあ」

と馬鹿でかい声で喋り始めた

 

職員の方が駆け付けてきて、

唇に手をあてて、

「お静かに」みたいな感じで口が動いている

 

こういった時、

まともな人間なら自ら席を立ち、

外に行くなり携帯を切るものだろう

しかし彼は会話をやめない

 

職員さんは困った様子であるが無視

周囲で勉強してた子たちもみんな彼を見ているが無視

 

さんざん馬鹿でかい声で喋った挙句、

電話を切ったこの男性に職員の方が、

「館内はマナーモードでお願いします」

と、非常に穏やかな言い方で言ったら、

 

「そんなもん、すぐ終わるのにいちいちうるせんじゃ!!」

 

と、ブチギレ、

手元の本を置いたまま、

去っていった

 

これを老害と言わずして何と言うのだろう

 

一時期「キレる若者」なんてのが問題になったが、

少なくとも地方で生きてきた私は

若者がバカなことをやっているのは見たことあれど、

「キレる」のを一度も見たことがない

 

電車内やバス車内、街なかにおいて、

総じて「キレて」いるのは年配の男性である

 

昔から「お年寄りを大事にしましょう」なんてことはよく言われてきた

私だって一応大事にはしたいとは思っているし、

それなりに年齢を重ねてきた人の言葉や生き様には

重みだってあるとは思っている。

 

けど、いまや「お年寄りには気をつけましょう」の世の中だ

お年寄りの中でも男性は特にタチが悪い

穏やかな方も多々おれど、

だからこそタチの悪いジジイが一層目立つ

 

女性でタチが悪いのはせいぜい中年までだろう

ところが男性の場合、

歳を重ねるごとにひどくなっていくような気がする

私はいつも暗澹たる気持ちになるし、

あんな爺さんにならぬよう意識はしている

 

なあなあ、世の中のお年寄りのみなさん、

「最近の若い連中は〜」なんて言う前に、

自分自身の生活、言動を見直すってことが必要じゃないでしょうか

 

「年寄りを大事にしろ」「年配者の意見を聞け」

まともな意見なら聞きますし、

その人なりが素晴らしければ大事にするし、

尊敬もできると思うのです

そんなことは言われなくとも

 

どうぞ老後は「大事にされる」生き方をなさってください

老害」なんて言葉、

使いたくはありませんが、

人の迷惑を顧みない、自分勝手な方があまりにも多すぎます

 

 

昨日、旦那が昼からパチンコに出かけたもんで、

私はちゃっちゃと夕食の「おでん」の仕込みを始めた

野菜の値段も落ち着いてきたし、

仕込みさえやっちゃえば後はラク

 

大根下茹でして、ゆで卵作って、里芋の下処理をして

おでんつゆに練り物や厚揚げと一緒に入れて、

ちょいと煮たらガス止めて終了

冷めれば勝手に味なんて染みてくれる

 

旦那がクルマで出かけたもので、

また私はぶらぶら歩いて図書館へ

 

相変わらず図書館は混んでいたが、

私は吉田修一の小説を手にしてイス席に座った

この図書館のイス席は窓の外を向くように配置されていて、

本を読んでいても気持ちいい

 

しばらく夢中になってページをめくっていたら、

何かやたらと耳障りな音が聞こえてきた

 

その音の源は隣に座った爺さんのイヤフォンである

演歌だか歌謡曲だが知らないが、

シャカシャカ音っていうよりフツーに聞こえてくる

 

私は多分、人一倍耳がいいんだろうな、

最近はそう思うようにしている

我が家でも実家でも、職場の休憩所でも、

自分1人でテレビを見てて、

誰かが入ってくると必ずボリュームを上げる

 

「よく聞こえるな、こんなんで」

旦那にも同僚にも、いつも言われるが、

私にはフツーに聞こえる

旦那とテレビを見てるといつもうるさく感じるほどだ

 

私はシャカシャカ音にめげず、

ページをめくり続ける

図書館は混んでたし、他に席を探すのも面倒だった

 

すると今度はイビキが聞こえてきた

イビキの源は隣の爺さんである

寝息というレベルではない

イビキである

降り注ぐ日を浴びて、実に気持ちよさげだ

よくこんな大音量で音楽を聞きながら眠れるものだと関心する

 

私はページをめくる

聞こえすぎる私の耳が悪いのだ、きっと、

そう言い聞かせて私はページをめくる

今度こそ耳栓を用意しようと思いつつ、

いつも忘れる自分が馬鹿なだけだ

 

静かな図書館に爺さんのイビキが響き渡る

私の耳にはイビキプラス音漏れだ

 

すると今度はファンファーレみたいな大音量とともに、

着メロがなり時始めた

爺さんは目を覚まさない

 

もう限界だ

私は席を立つ

図書館の職員の方が近寄ってきた

 

背後で爺さんが何かわめいている

これを老害と言わずして何と言うのだろう

私は暗澹とした気分のまま図書館を後にした

 

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