うちの旦那はオネエさま

地方在住、ホモのひとりごと

妹からのメール

妹からのメールはいつだって、怖い。

 

僕には妹がいる。

3歳年下だ。

わりと昔から仲は良かったと思う。

僕は18で実家を出ているから、

妹と暮らした日々なんてもはははるか昔だ。

 

そんな妹からはたまにメールが来る。

 

20年近く前、携帯がようやく普及し始めたころ、

最初に妹から届いたメールは、

「結婚します」だった。

「おめでとう」と僕は返信し

「ありがとう」と返事がきて終了。

 

僕は昔から弟も欲しかった。

けど、叶わなかったから、

妹の結婚相手に期待していた。

「お兄さん」なんて言われたかった。

 

僕が実家にいた高校時代、

中学生だった妹には既に彼氏がおり、

たまに家の前でばったり会うと、

これがまた非常に可愛い男の子であった。

 

こんな子が僕の弟になるのか、

そう思うといつもわくわくしていた。

 

妹の結婚相手が実家に来る、

そんな話しだったので地元に帰ったら、

妹の結婚相手は僕よりはるか年上の、

髭面のおっさんだった。

 

そんなおっさんに「お兄さん」と言われ、

泣きそうになったことを憶えている。

妹の結婚式では実際に号泣した。

1人っ子の従兄弟に「何泣いてんのさ」と笑われた。

「うるせえ」僕は言った。

 

妹と髭面の結婚生活はそう長くなかった。

長男と次男が生まれて離婚した。

いわゆる嫁姑問題である。

裁判沙汰になったが妹は親権をとった。

 

その時も「無事に離婚成立」みたいなメールが来たはずである。

僕はどう返信していいのかわからず、

「とりあえずおめでとうで、いいのかな」

と送った。

「やっぱりおめでたいよね」

と返事が来た。

 

しばらくうちの親も助け舟を出しながら、

子供を2人育てつつ働いていたのだが、

そのうち職場の男と再婚することに。

 

この時は「また名字が変わります」だったと思う。

「懲りない奴め」そんなメールを送ったら

「へへへ」とだけ帰ってきた。

 

長女が生まれた。

だがこの男はDV野郎だった。

稼ぎは妹の方が良かったみたいなので、

男の方が家を出て行った。

 

「また名字変わることになっちゃいました」

「男を見る目がないやっちゃ」

「ふん」

 

ま、いい年こいた兄と妹ではあるが、

たまにこんな感じでメールのやりとりがある。

子どもたちのことを書いてたり、

画像が添えられていることもある。

 

2度目の離婚から10年、

妹は1人で子供3人を育ててきた。

長男は今年、大学に入学した。

次男は今年、高校に入学した。

長女はまだ小学生。

  

妹は正社員ではない。

バイトを3つ掛け持ちである。

朝、子供たちを送り出して8時半ごろ出勤。

子供たちが帰宅する15時半ごろ帰宅。

晩飯をつくって19時ごろ出勤。

深夜の1時まで働いて、

そのまま新聞配達に行く。

 

帰宅するのは4時ごろだ。

6時半には朝飯を作り始める。

布団はもっていない。

ソファで2時間ほど横になるだけだ。

そんな生活をずっと送っている。

 

離れて暮らす兄(僕)が出来ることなど、

たまに実家に帰省した際に妹の家に顔を出し、

子供たちの飯を作ってやることくらいだ。

 

すると妹は「助かるわー。なら残業してくるから」なんて言う。

そんな調子だから、

僕は長らく妹とゆっくり話しをしたことがない。

 

そんな妹から、メールが届いた。

長男がバイトをするようになり、

自分のバイトを整理して時間ができたそうだ。

 

そして

「よくよく考えてみると、私は兄貴のこと、何も知らないんだな、ってことに気づいた」

なんて書いてある。

 

ちなみに妹にはカミングアウトもしてるし、

同棲していることも告げてある。

それでも何だかドキリとなった。

 

妹から見れば、

僕は「フーテンの寅さん」みたいな存在だったらしい。

たまーに現れて、甥っ子の相手して、またいなくなる。

 

「と、いうのもね。こないだ、『きのう何食べた?』って漫画、ちょっと読んだのね。兄貴ってあんな生活してんのかなーって」

 

 

我が家にも全巻揃っている(笑)

僕は残念ながら筧さんみたいなイケメンじゃないけれど、

料理に関する考え方とか、

ツッコミとか「分かる、分かる」と、

読みながら吹き出しそうになる。

 

ホモとオネエの組み合わせなんていう点も一致している。

矢吹さんの話し方とか、

わりとうちの相方に似ているのよな。

 

「ま、限りなく近いかもね」

僕は返信した。

すると

「ならこれから大人買いしてくるね。また帰ってきたら寄ってね。今度はゆっくり話しも出来ると思うし。ほんじゃ」

これで今回のメールは終了。

 

つーことは今度妹の家に行ったら「きのう何食べた?」が

全巻そろっているということか。

子どもたちの目に入るのか分からぬが、

ちょっとその反応も見てみたいような気もした(笑)

 

ま、今度帰省した時は、

自分たちや、両親のことについて、

真剣に話さなきゃいけない時期に来ているよな、

とは思っている。

 

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