うちの旦那はオネエさま

地方在住、ホモのひとりごと

僕は田舎暮らしを諦めた 〜田舎の理想と現実〜

独り暮らしの時から「田舎暮らし」に憧れていた。

我が家の先祖代々の墓は九州の離れ小島にある。

いつかは帰りたい、そんな思いもあった。

でもこのたびきっぱり諦めた。

 

理由は簡単だ。

僕は旦那と二人で暮らしていて、

旦那が「無理」と言ったからだ。

 

これ以上説得しても仕方ない。

まして僕らは同性愛者だ。

田舎だと色々とややこしい。

 

旦那は僕が田舎暮らしに憧れていることを知っている。

だから普段から僕が農家の手伝いにいったり、

しばらく滞在したりしても特に何も云わなかった。

 

ちょこちょこ田舎に顔を出しているうちに、

「こっちで暮らせば」なんて云われるようになった。

家も紹介してくれた。

立派な家で格安だ。

仕事も何とかなりそうだ。

 

先日、旦那を連れてその家を見に行った。

そして話し合った結論だ。

旦那が「無理」という以上、

無理強いはしたくない。

 

それに僕だって今の生活を捨ててまで田舎暮らし、

となるとためらいがなかった訳ではない。

逆にスッキリ諦めがついたと言える。

 

以下、僕なりに考えた田舎暮らしの現実をまとめてみた。

同性愛者ではない、

一般の方にも多少は役立つと思う。

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田舎暮らしと言えば、

美しい里山の光景や、美味しい空気、食べ物、

穏やかな人間関係、なんかを想像される方は多いと思う。

 

では現実はどうか。

 

田舎暮らしは案外カネがかかる

 

田舎で暮らす以上、当然まずは住居が必要となる。

一軒家を借りても良し、買っても良し、

まあ都会暮らしの方ならびっくりするような値段で

借りたり買ったりすることができる。

 

僕が知っている最安値は岩手の山奥に住んでる友人で、

家賃が年間1万2000円+酒一升であるとのこと。

月ではない、年だ。

最初は「すさまじい物件」であったが、

長年に渡り手をいれて当初の面影はなくなった。

 

ちなみに先日僕が旦那を連れて見に行った物件は、

築100年の9LDKに蔵とカーポートと作業場がついて、

売値が300万円だった。

ま、こんな物件はゴロゴロある。

 

だが住居が安いという点を除けば、

他は案外カネがかかる。

 

まずはクルマ。

田舎暮らしにおいて車は100%必需品といっても良い。

車を走らすには当然燃料が必要であるが、

そもそもガソリンスタンドが少ないし、

あっても高い。

 

都会だとガソリンが切れそうになったら近くのスタンドに寄ればいいが、

田舎だとそうはいかない。

ガソリンスタンドに行くにもガソリンが必要だ。

 

雪が降る地域なら四輪駆動車も必須だし、

当然のことながらスタッドレスタイヤも必要となる。

農業でもやるなら軽トラも必要だろう。

家族がいれば乗用車も必要だろう。

 

続いて光熱費。

 

電気代とガス代は全国何処にいってもそう大差ない。

ただ、暖かい地域から雪国に行ったりすると当然跳ね上がる。

夏は涼しくてクーラーいらず、

なんてところは冬の寒さは半端ない。

 

僕が以前、半年ほどお世話になった長野の農家など、

9月初旬からファンヒーターが必須だった。

 

光熱費でもっとも注意したいのは水道料金だ。

これは市町村によって全く違う。

同一県内で隣接する市町村でも同じ使用料で倍ちかく違う、

なんてこともある。

これだけは絶対にチェックしておきたい。

 

続いてテレビ。

これは住む県によっておおいに違ってくるが、

例えば僕が暮らす県の場合は地上波だと民放が2局しかないもので、

大多数の方はケーブルテレビに加入している。

要するに有料ということで、

これにプラスしてNHKの受信料などがかかる。

 

テレビはタダで見れる、

なんて考えは捨てておいた方がいい。

さらにケーブルテレビの加入や工事にも 

案外洒落にならぬほどカネがかかったりする。

 

ついでに雪国ならBSアンテナもやめた方がいい。

雪が積もってすぐ見れなくなる(笑)

 

続けて交通費。

 

子供さんがいる家庭なら高校卒業までは家にいることが多いだろう。

その通学に電車やバスを使うことが必要であるならば、

先に考えておいた方がいい。

 

JRならまだましだが、

地方私鉄を使っての通学など目玉が飛び出るような定期代がかかる。

バスの運賃もピンキリだ。

田舎だと市町村が補助金を出して格安で乗れることも多いが、

それがないとべらぼうな運賃がかかることも多い。

 

医療費。

子供への助成などは自治体によって全然違う。 

 

ごみ処理。

これも自治体によってまちまちだが、

田舎に行くほど分別が細かくなり、

ゴミ袋の値段も高いように思う。

さらに収集日も少なかったりする。

 

地区の行事。

これも住む場所によるのだろうが、

田舎では草刈りなどの集落をあげての行事が多々ある。

参加しないと冗談みたいな罰金を課せられたりもする。

 

やはり田舎暮らしを始めた友人の話であるが、

一番参るのは「講」と呼ばれる行事であるとのこと。

要するに集落の「飲み会」なのだが、

幹事になると家に集落の方を招き、

御膳や酒を準備すると言う。

 

その幹事は一軒一軒隣へ隣へと回っていき、

回ってくるのは3年に一回程度らしいのだが、

これが30万円ほどかかるらしい。

「ま、その分、よその家ではとことん飲んだるけどな」

これくらいの感覚がないとなかなか辛い。

 

その土地その土地に色んな行事が存在する。

 

さらにこれは都会でも同じかもしれぬが、

あなどれないのは町内会費だ。

べらぼうな入会金や会費をとるところもある。

 

と、まあ田舎暮らしは案外カネがかかる。

住居が安いと浮かれていると、

おそらく安いのは住居だけだと気づくことになる。

 

さらに人間関係の問題もある。

これが実は一番きつい。

 

近所の皆さんが採れたての野菜をおすそわけしてくれて助かる、

なんてウツクシイ話をよく聞くが、

タダほど高いものはない。 

 

要らぬからくれるのだ。

 

それなのに何らかの「見返り」を期待する、それが人間だろう。

モノなり労力なりで何らかのお礼をする必要がある。

それを怠ると村八分にされる。

 

「家に鍵をかけたら村八分にされた」

昔、スキー場のロッジで一緒に働いていたパートのおばちゃんの言葉だ。

旦那さんと息子と3人でとある山里に移住してきた。

 

出掛ける時は鍵をかける、

そんな一般常識でさえ田舎では通用しない。

 

「おまえんとこは俺らを信用してないのか」

そんなことを平気で口にする方がいる。

「もううんざりだわ」とおばちゃんは笑ってた。

ま、笑えるような強い方はいい。

 

「ありもせん噂をばんばんたてられるからな、全部オープンにした」

これは先日話しを聞いた大阪から一家で田舎に移住してきた方の言葉。

「表向きはニコニコしてんねん、でもな、あの家は借金踏み倒して夜逃げしてきたとかな、裏では好き勝手言われてた」

この方も笑ってそう言った。

「だから、噂をたてられる前にウチはこういう理由でここに来ました、とか家族のこととか、前に何やってたかとか全部先に喋ることにしたんや」

 

田舎は総じて暇である。

ありもしない噂が大好きだ。

大人しくしていると、妙な噂が先行する。

 

僕はたまたま田舎暮らしをはじめて、

色々ありつつもそれを満喫している方しか知らない。

 

ただ、ネット上や書籍などでは、

理想と現実が違って田舎暮らしを断念した、

なんて話もよく目にする。

 

思うに現状が不満で田舎暮らしを志すのなら、

それはやめた方がいいと思うし、

最初から田舎暮らしが理想でそれに突き進むなら。

何があっても乗り越えれると思う。

 

特に会社や近所の人間付き合いが面倒で、

田舎でのんびり暮らしたいなんて方は

もっとも向いていないだろう。

 

僕みたく相方すら説得できない人間も向いていない。

 

あと、嫌煙家も向いていない。

今や都会でくわえタバコをしながら仕事をしている人など、

ほぼ絶滅危惧種であろうが、

田舎にはまだたくさんいる。

 

最後になるが、

田舎暮らしで役に立つと思う資格について。

 

僕は以前から将来の田舎暮らしに備え、

食いっぱぐれのないようにちょこちょこ資格をとってきていた。

例を挙げれば調理師や大型、大型特殊免許などなど。

 

農業をするにせよ、

最初からカネになる訳でもなく、

バイトは必須であろう、

そんな考えがあった。

 

でも、色んなところに伺ってみて、

田舎暮らしで小遣い稼ぎをするのに、

もっとも役にたちそうな資格は

フォークリフト」であるような気がする。

 

農協や漁協でも重宝されるし、

運送系だって大型とセットで持っておけば

案外仕事はある。

フォークリフトは物を運ぶだけでなく、

バケットをつけて除雪に使ってるようなところもある。

 

ちなみに僕は持っていない。

とっておけば良かった、とりに行くかと何度か思ったが、

田舎暮らしをあきらめた今となっては

まあいいか、とは思っている。

 

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