間抜けな話
私が30代前半の頃である
私は某運輸業に中途入社して、
窓口で「きっぷ」を売っていた
隣には先輩の女性社員(独身)がいたが、
その日は恐ろしくヒマだった
私はパソコンのキーボードが黒ずんでいることが気になって、
ひとつずつキーを外し、
マジックリンで拭くなんてことをやっていた
隣の女性社員はずっと携帯をいじっている
それくらい、ヒマだった
そんなとき、お客さんが現れた
思わず「ン?」となった
四十代の細身の男性だと思う
しかし、ばっちりとメイクをしていた
恐らく長髪のカツラを被っていた
服装も女性そのものである
「◯◯まで一枚」と男性の声で言った
私はきっぷを発券した
彼は改札口へ向かった
すると隣にいた女性社員がクスクス笑いながら、
「いやー、あんたよく冷静にいれたねー」 などと言う
「はあ」とだけ答えて私は再びキーボードの掃除を始めた
「いやー、絶対にさっきのホモだよねー 気持ち悪かったー私はじめて見たよ、 私んところ来たら絶対笑っちゃってダメだったわ」
そして彼女はこの光景を誰かに喋りたかったのか、
「ちょっとお願いねー」と言ってその場を出て行った
改札口から「キャーキャー」という笑い声が聞こえた
さて、
彼女のいう「ホモ」って言葉が同性愛者を指すのであれば、
絶対に、の時点で間違っている
彼は同性愛者かもしれないし、性同一性障害の可能性もある
女性を愛する男性の中にも女装を楽しむ人はいくらでもいる
そして「はじめて見た」も間違っている
現にホモである私はずっと前から彼女の隣にいた
ホモの視点から見ると、
本当に会社ってところは面白い
もし貴方が同性愛者で、
会社や学校に同性愛者を誹謗中傷する方がいても、
いっさい気にする必要はない
それは
貴方が同性愛者であると気づかれていない証だからだ
それに気づいていてそんなことを言う上司がいるなら、
その会社は腐ってる証であるし、
貴方が居続ける必要もない、ってことですな(笑)